Statement by the Minister for Foreign Affairs and Trade
英国国民投票の結果に対するアイルランド外務・通商大臣の声明(2016年6月24日)
「英国の有権者は昨日の国民投票で、欧州連合(EU)から離脱することを決定しました。これはもちろん私や政府が望んでいた結果ではありませんが、私どもはどちらの結果にも対応できるよう、十分な備えをしてきました。
今後は、英国も、EUも、またアイルランドも大きな試練の時を迎えますが、これは対処できる課題です。これに関連して、今後生じるさまざまな分野別の課題に対処するための体制を整備すべく、すでに政府全体でかなりの作業が進められています。
今朝の時点で、私は外務・通商大臣として、以下の3点を強調したいと思います。
第一に、アイルランドは、今もこれからも、EUおよび英国の双方としっかりと足並みをそろえていきます。アイルランドはもちろん、今後もEUとユーロ圏の一員であり続けるとともに、英国との政治的・経済的・人的つながりを守るためにあらゆる手立てを尽くします。私は、政府対応の一環として、この先の重要な期間に我が国の外交資源がフルに活用され、アイルランド、英国、EU本部などに適切な能力が配備されるよう努めます。
第二に、私にとっての主な優先事項は、北アイルランドの安定、和解、繁栄を支えるための作業を継続することです。英国のEU離脱は変化をもたらしますが、アイルランド政府は、EU加盟国、英国政府、北アイルランド各政党とのやりとりの中で、当初からずっと、北アイルランドとアイルランド全島の問題が、国境に関する話し合いを含む国民投票後のすべての交渉プロセスにおいて優先的に注目される分野だということを強調してきました。
第三に、英国は今すぐにEUを離脱するわけではなく、EU加盟国としての地位に関係したすべての取り決め、権利、便宜が引き続き全面的に適用されるということを強調したいと思います。これから交渉プロセスが始まり、英国が実際にEUを離脱するまで最低2年はかかります。その間、英国はEU加盟国であり続け、EUの活動に参加し続けます。
これらの優先事項を念頭に置いて、私は英国の大臣や北アイルランドの党首との一連の交渉を開始しました。また、主要EU加盟国に駐在するアイルランド大使に対し、EUとのハイレベルな政治交渉を含む今後のステップについて協議するため、ダブリンへの招集を行いました。昨日、私はすべてのEU加盟各国の駐アイルランド大使に向けて、今回の国民投票で残留派が勝利した場合と離脱派が勝利した場合それぞれの政府の優先事項について、概要を説明しました。
また私は、英国国内のアイルランドコミュニティへのアウトリーチと関与を維持し、交渉プロセスが進むなかで彼らの懸念材料が十分に考慮されるよう努める所存です。
さらに、英国と貿易を行っているアイルランド国内の事業主や、私が政府のExport Trade Council(輸出貿易協議会)議長としてこの数週間対策を話し合ってきた人たちを含む、すべてのステークホルダーとも協力していきます。アイルランド大使館および領事館は、各政府機関と緊密に連携し、英国とのきわめて重要なビジネス上のつながりを含む、アイルランドのダイナミックな通商関係全体を引き続き発展させていきます」
以上
(仮訳 アイルランド大使館)